勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
そこにショートカットの店員さんがお皿を下げにやってきた。




「へえ、K大学なんですね! 私の友達もその大学で」




熱心に九条さんに話しかけている店員さん。




やっぱり九条さんはすごいな。大人だな。




「彼女さん、ですか?」




突然視線を向けられて、びくっと飛び上がる。




きっと私と九条さんじゃ、



恋人同士には見えないんだろうな……




彼氏と彼女というよりは、



親戚の子の面倒を見ている



優しくてカッコイイお兄さんって感じなのかも。




ドーンと沈んだ気持ちで



ブルーベリーをつつくフォークの先に視線を落とす。




すると……




「彩梅は、俺の婚約者」




「ゴホっ、ゴホッツ!」




迷わずに答えた九条さん。




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