勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
それから3分後。



なぜか、芝生のうえで正座して、九条さんと向かい合う。



「いいか、彩梅。



ほかの男に飛びついたら絶対だめだからな? 



わかったか?」




「は、はい」




「あのな、男に飛びついたり、



抱き着いたりしちゃ絶対ダメなんだよ。



お前、ガキだけど、



お前のことを子供だとは思わない奴もいるんだよ。



わかるか?」




「……はい、九条お父さん」



「マジで怒られたいのかな?」




むぎゅっと、頬っぺたとつままれた。




「ううっ、ごめんなさい~~~」




「はああ……」




呆れる九条さんにしょんぼり。




「あのさ、そういうのは俺だけにしておけよ?」



「は、はい」




でも、ほかの男の人とお散歩なんて行かないのにな。




隣ではコタロウくんが九条さんに頭をなでられて、


気持ちよさそうに目をつぶっている。




そんなコタロウくんにぽつり。




「コタロウくんはいいな。九条さんに甘えられて」




「それなら、彩梅もこっちに……じゃ、ねえんだよっ!



だからそういうことを軽々しく言っちゃダメなんだよ!」




「だって、特訓してくれるって言ったのに!」




「だれのための、なんの特訓なんだよ……‼」




「ううっ、私にはすぐ怒る。コタロウくんには優しいのに」




「コタロウの方が彩梅よりずっとしっかりしてるんだよっ。



お前は手がかかりすぎるっ!」




そ、そっか……




私、コタロウ以下だったんだ……




ショックっ‼

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