勝手に決められた許婚なのに、なぜか溺愛されています。
「あの子ね、初めてなのよ、女の子を家に連れてきたの。



彩梅ちゃんのことが可愛くて仕方ないみたいね」




「それはコタロウくん的な可愛さ、……らしいです」




自分で言って、苦笑い。




「あら、それはすごい!」




「……すごい、ですか?」




「ええ、すごいことよ」




すごいこと、なのかな……?




でも、愛犬と婚約者が同列って、ある意味すごいかも……?




くすくすと笑っている九条さんのお母さんに頭を下げて、



九条さんの待っている車へ向かった。



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