Ritratto〜変わってしまった君へ〜
ルカとは幼なじみだった。ルカの家と私の家はこの国でも有名な貴族の家系で、豪華な豪邸で何不自由ない暮らしをしてきた。
ルカの家と私の家の人間は仲がよく、お茶会を開いたりパーティーに招待したりしていたため、私とルカが仲良くなるのもあっという間だった。
「カタリーナ、これ君にあげる」
ルカはいつも、私に会うたびに花をくれた。ルカの庭で咲いたという美しいバラの花。幼かった私は、美しい宝石やドレスよりルカからもらうバラの花が何よりも輝いて見えたっけ……。
でも、ルカは七歳になる頃にある病にかかってしまった。その病のせいでルカは生死の境を数週間彷徨い、医師のおかげで何とか死なずに済んだものの、美少年と社交界で言われたルカの顔は、病気のせいで醜い痕が残ってしまった。
「なんて醜いのかしら」
「化け物だな。もう社交界には立てん」
彼を見るたびに貴族たちはそう囁いた。彼はそんなことを言われるたびに俯き、その暗い姿にさらに周りから気持ち悪がられた。