メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
閉店時間になりホッとしてカフェスペースをクローズする。

今日もハロウィンの時と同じように店長と竹中さんと一緒に軽い打ち上げをすることになっていた。私はサンタクロースの衣装、竹中さんはクリスマスツリーの衣装でウケを狙ったのに、店長のトナカイの方が女性のお客様達に『可愛い~。』と圧倒的にウケて何度も写真を撮られていた。

明日から年末セール、その後は新年の福袋販売が待っている。

イベント当日はだいたいこのメンバーがシフトに入っていた。『意外』と言われるが私はあまりイベントごとに興味がないし、竹中さんは彼女も別店舗で働いているからイベントの日に休みをとるのは諦めているようだ。

ハロウィンの日のスタッフルームでのことを思い出す。次のバイトの日、店長に床に頭がつきそうな勢いで謝罪された。あれから彼とは仕事以外の話はしていない。

店長に対して嫌悪感があるわけでは決してなかった。ただあの時はものすごく大きな違和感を感じて、あの場にいたらそれに飲み込まれてしまいそうで怖かったのだ。
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