メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
「お前さぁ・・・レミに何してくれてんだよ!?」

クリスマスが終わった途端年末ムードになった街の片隅。俺は激昂した玲央に壁に追い詰められていた。玲央の方が顔が小さくて足が長いから背が高く見えるが、実際身長は同じくらいだった。

くりっとした大きな目に凄みをきかせている。目力が強いので迫力がすごい。いつもは気の抜けたような話し方をするのに、声にも怒りが込められている。こんな玲央は初めてで思わずたじろいでしまう。

「いや、俺は・・・。」

「キョウとうまくいってないんだかなんだか知らねーけど、レミで埋めようとするとかマジでふざけんな!!好きでもないくせに、利用するだけしてんじゃねーよ!!」

玲央は俺の顔の右側にある壁を利き手の左手で激しく殴った。驚いて見ると血が滲んでいる。

「お前!やめろよ!その手は大事な商売道具だろ。」

「うるせー!それどころじゃねーんだよ!商売なんかよりレミの方が何倍も大事だ。ちゃんと説明しろよ!!」

「・・・雑誌の表紙に自分のアクセサリーではなくて玲央のものが起用されることになって荒れた玲美に呼び出されて居酒屋に行った。酔ったあいつを家に送ったら、『1回だけでいいから。』って迫ってきて服を脱ぎだして・・・。」

「で!?どうしたんだよ!?その先言ってみろ!!」

玲央は真っ白で綺麗に並んだ歯を剥き出して俺の胸ぐらを掴んだ。小学校の頃の歯磨き指導で使われた歯の模型みたいだった。

「で、寝た。」

「お前えぇ・・・っ!!」

玲央は俺の顔面めがけて拳を振り上げた。
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