メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
1月3日。今日は例年通り爽ちゃんと初詣に行く約束をしている。彼女は年末に海外研修から帰ってきたけれど、結婚したから今年からはもう旦那さんと行くのかなと思い連絡しないでいたら向こうからメッセージをくれた。二人での初詣は既に済ませたとのことだ。

常に心に余裕を持っていたい私はギリギリで焦りたくない為、待ち合わせにはかなり早く行くようにしている。今日も例によって待ち合わせ時間より40分程早く着いたので屋台で甘酒を買って、神社近くの公園で飲んでいた。公園とは名ばかりで、ベンチが2つ並んでいるだけのこじんまりとしたスペースだった。

新年の幕開けに相応しい雲ひとつない青空を見上げる。風はなく空気はぴんと張っていてひんやりとしており心地よい。

今年はどんな年になるんだろう。まだ去年のこと───暖人との日々───を振り返る勇気はなくて俯いて過ごす毎日だ。けれど、少しずつ顔を上げて前に進んでいけたらいいなと思っている。

私にとって今一番大事なことは大学を無事卒業することだ。散々な出来の卒論を提出してしまったから口頭試験が不安でならない。先輩から気軽なものだと聞いているけれど、それでも試験のことを考えると就職も決まっているのに卒業できなかったらどうしよう、と今から胃が痛い。
< 192 / 290 >

この作品をシェア

pagetop