メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
「ごめんね。そういうの、重いっていうか、嫌だよね・・・?」

ドラマだったか漫画だったかで『初めての女子は重いから勘弁。』って男の子達が話しているシーンがあった。すごく恥ずかしい。だって今時皆高校生くらいで経験してるよね。もっと早く済ませておけばよかった。穴があったら入りたいと思って、かなり小さな穴にでも入れるくらい小さくなる私を暖人は優しく抱きしめた。

「・・・初めて、俺でいいのか?」

「暖人がいい・・・暖人じゃないと嫌・・・。」

済ませておけばよかったと思いつつ暖人以外の人と深く触れ合うことを想像しただけで嫌だった。思わず本音が出てしまい恥ずかしくなる。

目を逸らそうとしたのに、顔を掴まれて彼の方を向かされ、その瞬間唇を奪われる。最初からいきなり深く激しい。荒々しい彼の様子に怖いと思うどころか気持ち良くなっていく。もうどうなってもいい、どうにでもなってしまいたい。

「ありがたくいただくよ。」

「う、うん、でも、あの・・・電気は・・・。」

「わかってる。暗くするよ。」

「このままがいい。」

「え!?」

「暗くすると・・・内緒の、後ろめたいことしてるみたいっていうか、いきなり大人になっちゃうような・・・そんな気がしちゃいそうで。」

「そんなことないけどな・・・。でも俺は正直嬉しいけど。普通女子は『恥ずかしいから電気消して。』って言うからな。」

「あ、そっ、そっか、これから服を全部・・・じゃあ消してほしいな。」

「今更変更は受け付けられねぇな。」

「えっ、うそ。お願い。」

「そのお願いは却下された。」

暖人の視線は急速に熱を帯びた。私を求める熱い気持ちが込めらているのを感じる。その視線を全身で浴びたら抵抗する気持ちもなくなった。

───私の全部、暖人に見てもらおう。

私は覚悟を決めた。
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