メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
「え、えーと・・・。」

「・・・ぷっ!嘘だよ。今日初めてなのに、そんなに鬼じゃねえよ。」

警告音は誤報だったらしい。

「・・・そうだよね。」

「ん?何残念そうな顔してんだ?そんなら途中までならいいかもな。」

「え!?」

「さっき、杏花と一つになって・・・有り得ないくらいに可愛くて気持ちよくて・・・お前のこと何倍も好きになった。」

彼はそう言うと私の唇に軽くキスをした。すぐに手が連動し始め、双方の動きは急激に激しさを増していく。

「・・・ご飯、食べないの?」

なんとか彼の唇から逃れ聞いてみる。

「・・・悪い、もう止まらねえわ。飯とか風呂どころじゃない。」

もどかしいようにそう言った後、彼の唇と手は再び私の全身を翻弄した。『途中まで』だったのに私の体と心はもう1mmも動けないくらいにとろとろに溶かされてしまった。明日までに固まるだろうか。

さっきあんなに寝たのに猛烈な眠気に襲われ、私は食事もとらずに再び眠りについてしまった。そしてまるでスイーツビュッフェのように甘々な一日が幕を閉じた。
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