メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
「あ、お前もしかして俺の時みたいに津村に殴りかかったんじゃ・・・。」

「いや~、ハルと違ってツムはちゃんとレミに対して気持ちがあったから殴らないでやったけど、アイツの気持ち知らずに一緒に会社やってたとかなんか悔しかったからアイツのオシャレメガネ奪って壁に投げつけて木っ端微塵(こっぱみじん)にしといたよ。」

「おお・・・あの高そうな眼鏡か・・・。」

「あと、あの二人が結ばれたのって、レミがハルにクリスマスイブに振られてから落ち込んだ日々を送ってたのを、ツムが大晦日に年越しながらベッドで慰めたからなんだよ。それがアトリエのベッドだったから、神聖なアトリエを汚した罰として一ヶ月分の給料を半分に減俸しといたけどね。」

「・・・そうか・・・でも玲美が幸せになって良かったじゃねぇか。」

玲央はガクッと肩を落とした。

「そうなんだけどぉ~もぉ、喪失感で胸が空っぽでさぁ。制作も全然進まないわけ。」

「お前もそろそろ彼女と結婚したらいいんじゃねぇか?玲美達と派手に合同結婚式とかすれば・・・。」

『喪失感で胸が空っぽで、制作が全然進まない。』俺もつい最近経験したことだった。俺の言葉に玲央はガバッと顔を上げた。

「何ソレ!?超グッドなアイディアじゃん!ハルったらたまにはイイこと言うね!やればできるじゃん!そういやハル、なんかいつもの無駄に尖ってる感じなくなったけど何か良いことでもあったの?」
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