メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
こいつには子供っぽいところと女性っぽいところが混在している。だから変に気になる、というか、もっと知りたくなる、というか。そのアンバランスさに惹き付けられるのかもしれない。まあ、ピュア過ぎて疲れるけれど。そして自分でもよくわからないが、ふんわりとした彼女を困らせて戸惑う顔が見たくなってしまうのだ。

───駄目だ。これ以上ここにいたら変な気持ちになってしまう。

俺は寝袋に入ったまま起き上がり、もぞもぞと動いて部屋の隅まで移動した。ついつい隣に寝てしまったけれど、最初からこうすればよかったんだ。

すやすやと眠る彼女は無邪気な顔をしているくせにスイーツのように甘美なオーラを放っていた。薄いイエローのブランケットがクレープの皮のように見え、それに包まれているようにすら見える。

───確かクレープって『絹のような』って意味だったか。いや、絹のブランケットじゃないけど。

ついつい触れたくなってしまう。こんな女は初めてだ。こう見えて今まではちゃんと理性をコントロール出来ていたし、付き合ってもいない女に触れたことなんてない。

そもそも、俺は基本的に時計作りにしか興味がなかったはずだ。アラサーになって周りには結婚するやつも増えてきたのに俺は定職にも就かず金も大してなく、時計のことばかり。女と付き合ってもすぐ別れを告げられたが、別にそれで良かった。なのにあんなガキ・・・みたいなやつにこんなにも心を乱されるなんて。
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