メレンゲが焼きマシュマロになるまで。
───今日も見事にハモってんな。さすが双子。

「・・・うざ。」

俺がそうこぼすと玲央(れお)が大袈裟にショックを受けた顔をして抗議してくる。

「おい!第一声がそれかよ~相変わらずつれないなぁ。お前が初めて共同出店するって風の噂で聞いたからわざわざ見に来てやったのにー。」

「ちょっと、共同出店するのってその子!?」

玲美(れみ)が杏花に刺すような視線を向け鋭い声を出す。

「えーかわいいじゃん。彼女?」

そう言った玲央を玲美がものすごい形相で睨んだ。

「いや・・・こいつは、親戚の子で・・・共同出店というか、こいつの親が作った作品を委託販売するんだ。こいつ中学生だからまだ出店資格ないけど、ハンドメイドとか好きだし勉強の為にいるだけ。」

俺は背中に冷や汗をかきながら言う。

───頼む、杏花。何も言うな。

彼女を見ると、二人の現実離れした外見と彼らが放つ『いかにもクリエイター』というオーラに圧倒されているようだった。

「あはは、そうだよね・・・あ、そうそう!差し入れ。レオ特製のウルトラ・スペシャル・ハイパーカップケーキ。親戚ちゃんの分もあるから。」

玲央が透明の袋にラッピングされたピンク色のカップケーキを出してきた。

「いや~いつも思うけど天は俺に二物も三物も与えちゃったよね~。この美しい外見にクリエイターとしての類稀(たぐいまれ)な才能、そしてお菓子作りまで出来ちゃう。いや~俺だけこんなに恵まれちゃっていいのかな~。なんか皆に申し訳ないよ。」

「・・・お前はそういうこと言っても嫌みにならないから嫌だよな。」

「嫌になってんじゃん!」

玲央はケラケラと笑ってから『ン?』と言って杏花の顔をぐいっと覗き込んだ。
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