フラれ女子と秘密の王子さまの恋愛契約
「それから」
ハッ、と我に返りそちらを見やると、彼は口元に笑みを浮かべてた。
なんだか、愉しそうに笑ってる。
「ーーあの男に仕返ししてみないか?」
あの男……というのは、誰を指してるかなんて言わなくてもわかる。
香澄と婚約した和彦のことだろう。
「仕返しって……そんなこと」
「考えた事もないのか?本当に?」
「……」
彼にハッキリと指摘されて、グッと言葉に詰まった。
和彦との時間は幸せではあったけど、同時に苦しくて切なかった。
彼の気まぐれで来る来ないが決まってたし、気分が乗らないと会話すら無かった。
ひどいと2~3ヶ月は間が空くことも珍しくなくて……
ラインのひと言すらその間になくても、毎日毎日定時で帰って和彦のご飯を作って、テーブルの上の冷めるご飯を眺めながら鳴らないスマホ をずっと手にしてた。
和彦から連絡が来たら、すぐに取れるように……って。
休みの日は1日家にいるのが当たり前で。
今日みたいに、レストランに来たのなんて3年ぶりだった。
ーー3年。
お正月が来たら、私も26になる。
22から25の女としての3年間……私は和彦のために費やしてきた。
プレゼントのために、貯金も崩して。