長い梅雨が明けた日

「…なんで急に?」

思わず目の前に立っていた本人に聞いてみた。

「知るかよ」

「俺といつも一緒にいるからじゃね?」

河野がテキトーな事を言った。
というか、河野は遠回しに自分がモテ男だと言っていることに呆れた。


何にせよ、今日は優弥の誕生日。

他の女子からも誕プレでお菓子を貰ってるなら、わざわざ隣のクラスの私の所にプレゼントの催促に来なくてもいいだろ。

「そうならそうと言ってくれればわざわざ用意しなかったのに」

バッグから剣の形をしたアポ○チョコを取り出して優弥に渡した。
アポ○チョコ5箱をテープで繋げた力作。

「あははははっ!!何これっ!凄くね?」

河野がそれを見て大笑いした。

優弥は剣を構えるように持って唖然としてる。


毎年、誕生日プレゼントもバレンタインもこのアポ○チョコで通してきた。
優弥が一番好きなチョコレート。

中1で1箱、中2で2箱と年毎に数を増やしていた。

今年は5箱。
買ってきた5箱を袋に詰めるかリボンで結ぶだけにするかと悩んで並べ替えていたら思い付いた剣型。

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