長い梅雨が明けた日


幼い頃の理乃はいつも風邪をひいていた。

親たちの話では、理乃は気温の変化にすぐに順応出来ないとか言ってた。


だから些細なことですぐ熱を出す。

だから昔はよく手を繋いでいた。

理乃の手が熱いと思ったら幼稚園の先生に言って休ませたりした。

それが成長と共に熱を出す回数が減った。

本当に風邪を拗らせた時は別だが、大抵は安静していればその日に治まる。

でも、今回みたいに風邪でもないのに体調不良が長引くのは初めてだった。



やっぱり俺のせいなのか…?



髪に触れていた手を動かして頬を撫でる。

すると少しだけ寝てる理乃の顔が微笑んだように見えた。


やっぱり俺は理乃にとっては安牌なのか?

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