きみは微糖の毒を吐く



『先輩、あれ乗ろうよ』

『会長のことなんて俺が忘れさせてあげる』




遊園地で楽しそうに乗り物に乗る絢斗くん。


キラキラした笑顔の絢斗くん。


紗英さんのこと大好きって顔で、切なげに微笑む絢斗くん。




演技なのはわかっているけれど、絢斗くんがいつも私に向ける表情とはあまりにも違いすぎて胸が痛む。



絢斗くん、もしかして本当に好きな人にはこんな顔するのかなぁ。





「……ていうか、お似合いだなぁ」



並んでいる絢斗くんと紗英さんは、すごくお似合いだ。


大人っぽい紗英さんと、年下のはずなのに色気のある絢斗くん。


これは人気出るよなあ、とため息を吐く。





< 172 / 279 >

この作品をシェア

pagetop