きみは微糖の毒を吐く



絢斗くんが今は紗英さんと付き合っているんだとしたら、私の話なんて聞きたくもないだろう。


絢斗くんは今、紗英さんの彼氏なのかな。


そう思ったらどうしても、絢斗くんと話すのが怖い。





「私塾があるから先に帰るけど、乙葉、元気出してね」


「心配かけてごめんね、ありがとう。塾頑張ってね」



悠里ちゃんを見送って、出さなきゃいけなかった課題を職員室に提出してから外に出た。



日が短くなったなぁ、なんて夕焼けの空を見ながら校門を出た時、懐かしい顔に足を止めた。





「え……」

「久しぶり、乙葉」




そこにいたのは、風間くん。そして、モエちゃんとサクラちゃん。


モエちゃんとサクラちゃんは、梨乃ちゃんの友達で、梨乃ちゃんが私を無視するようになってから目を合わせてくれなくなった2人だ。


でもそれは仕方ない。私たちの間では梨乃ちゃんがいちばんで、全てで、それに逆らことなんてできなかったから。


決まり悪そうに視線を泳がす2人に、先に口を開いたのは風間くんだった。




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