きみは微糖の毒を吐く
「きゃ、」
下を向いて歩いていたせいで、誰かとぶつかってしまって。
その拍子に手に持っていた本がドサッと床に落ちた。
「ご、ごめんなさい!」
慌てて本を拾おうとしてしゃがんだら、先に手が伸びてきて。
拾った本を差し出しながら、
「これ俺も好き」
そんな優しい声が降ってきた。
驚いて顔を上げたら、そこにいたのは目を見張るほど綺麗な顔をした男の子。
彼がモデルもやっている柳絢斗くんだって知るのはこの後なんだけれど。