ある雪の降る日私は運命の恋をする-short stories-
「ついたよー」

子どもたちに声をかけて起こしていく。

朝の寝起きは悪いくせに、こういう時はみんなすぐ起きる。

葉月はパチッと目を開けるとまだ少し眠そうな望笑夏を起こして、手を繋いで車を降りる。

逆側から降りた柚月と手を繋ぎ反対側のみんなと合流する。

「わあ!ここなに?ホテル?」

はしゃいで今にも走り出していきそうな葉月を楓摩がしっかりと手を繋ぐ。

「ううん、プールだよ。みんなで遊べる所。」

そう楓摩が説明したのを聞いて望笑夏も柚月もテンションが上がる。

望笑夏もまた葉月と同様に走り出していきそうだ。

「ママ、プール深い?」

怖いもの知らずの2人と逆に、柚月は臆病な所があるから少し怖いのかな?

「大丈夫だよ。深かったとしても浮き輪もあるし、ママたちが一緒に入るから大丈夫。」

そう言うと、安心したのか柚月はにっこりと微笑む。

館内に入り、入場料も払ってから葉月と望笑夏が早く行きたいと騒ぐので、そのまま更衣室へ向かう。

葉月は学校のプール学習などである程度慣れているものの、望笑夏は保育園や公園の浅いプール以外は初めてだ。
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