御曹司の恋の行方~和菓子王子編~
遥の部屋に戻りひと息つく。

「悠里ゴメンね~お祖父様、無理やりじゃなかった?」

「ううん。凄く楽しかったわよ。お祖父様、色々ご存知でいつお話しても楽しいわね」

「ならいいけど。で?和菓子王子って何?」

「遥、噂は聞いたことない?」

遥は少し考える。
「ないわね」

「私は噂には聞いてたんだけど、今日初めてお店で見たの。和菓子王子」

「だから、その和菓子王子って?」

「長谷屋って和菓子屋さんは知ってる?」

「もちろん。よくいただくわよ」

「そこのね、若旦那さんがアイドルの様な可愛い容姿をしてて、和菓子王子って呼ばれてるの。私も今日初めて見たけど、ドキドキしちゃった!」

「悠里が?珍しい!それは見てみたいかも」

「今度一緒に買いに行こうよ!素敵な和菓子がいっぱいで、また行きたいの。ただ、ひとりで行くには少し敷居が高くて…」

「悠里は、和菓子じゃなくて王子が目的でしょう?」

「両方だよ!」

この日は、和菓子王子の話題で盛り上がるふたりだった。

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