御曹司の恋の行方~和菓子王子編~
公造は、話題が豊富でしかも今時の若者の流行まで詳しい。

「しかし、長谷屋の和菓子は美味(びみ)じゃのぉ」

「食べるのが勿体ないと思ってましたが、食べたら見た目以上に感動します」

「今は、長谷の息子が活躍してるようじゃな」

「和菓子王子、凄い人気でしたよ」

「和菓子王子?そう呼ばれてるのか?」

「はい。お祖父様ご存知ではなかったですか?」

「初耳じゃ。悠里ちゃんと話をすると今の若者の事を知れて楽しいの~遥は、疎いからな…」

そんな話をしていると、ガチャッとリビングの扉が開く。

「悠里、ここに居たのね。下で、悠里が来てるって聞いたのに、部屋にいないから。お祖父様、悠里を無理矢理連れて来たんじゃないでしょうね?」

「失礼な。ちょうど出掛けようと出た所で出くわしたのじゃ」

「また、秘書の東さんを困らせたんじゃないの?」

「大丈夫じゃ」

「遥、お祖父様とお茶してたの。凄く楽しかったわよ」

「じゃあ、そろそろワシは出掛けるとするか」

「悠里、私達も部屋に戻ろう」

「遥、お主も和菓子王子とやらの、和菓子をいただくといい」

「和菓子王子??」

「ほらな。悠里ちゃん、遥は全く知らないようだ」

「ですね」

「遥も、今時の話題を悠里ちゃんから教えてもらうといい」

とサッサと出掛けて行った。

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