御曹司の恋の行方~和菓子王子編~
固まっている悠里に
「ゆうりちゃん?引いた?」と自信がなさそうな夕輝。

「いえ。まさか憧れの和菓子王子からそんな事言ってもらえると思わなくて…」

「憧れ?憧れてくれてたの?」

「はっはい。初めて見た時から…」

「マジで!めちゃめちゃ嬉しい」

「王子こそ」「ちょっと待って」
悠里の話を途中で止める。

「王子は辞めて。恥ずかしい」

「若旦那?」

「イヤイヤ。夕輝で。呼び捨てでいいから」

「じゃあ、夕輝?」何故か小さい声で顔を真っ赤にして疑問形の呼び方。

「プッ。可愛い。俺も悠里って呼ばしてもらっていいか?」

「もちろんです」

「最初に悠里を見た時から、悠里の事ばかり考えてた。まさか、こんなに偶然に会えると思ってなかったから、かなりテンション上がってる」

「夕輝は、いつから私の事知ってたんですか?」

「1年位前かな?お母さんらしき女性と和菓子を買いに来ていただろう?その時、一目惚れしたんだ。その女性がゆうりって呼んでたから名前を知ったんだ」

「そうなんですね。私も和菓子王子の噂だけは知ってたんですが、あの日母に連れられて買いに行って、夕輝を見てから憧れの存在になってました。まさか、両想いだ何て未だに信じられません」

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