1日だけの恋~10月25日夜完結~
それから、私へ向けていた視線を外しラウンジの真ん中あたりのテーブルへ視線を投げた。
すると、スーツの男がひとりでいるのが見える。
「あなたのいう人はダークグレーのスーツの男性?」
「…はい…彼とは、もう元に戻る気はないんです」
「なるほど……」
「はい」
「でも、わからないな。なぜきみは僕に頼んだのかな?他にもひとりでいる男性ならいるのに」
少し笑みを含んだ顔で聞いてきた男の問いかけに肩をすくめた。