1日だけの恋~10月25日夜完結~
エレベーターから降りてくるひとを待ち、中年男女が進むのに合わせて身を屈めてエレベーターに乗ろうと足を進める。
あと一歩でエレベーター内に入れると思えたその時、
「おい、マリア」
名前を呼ばれ腕を掴まれてしまった。
顔を上げると、そこには憧れの顔があった。
綿貫さんだ。
綿貫さんは無表情のまま私を見たあと、エレベーターの中の人へ
「お先にどうぞ」
と声をかけた。
エレベーターが閉まると、私は綿貫さんを見つめた。
待っていたかった人。
会いたくてたまらなかった人。
でも……。