こいつ、俺の嫁。【2】



寝室のドアを思いっきり開けてもベッドにある大きな丸い塊はびくともしない。



「起きて!ご飯できたよ!おーきーろー!」



ベッドに乗ってその塊を揺すりながら耳元で大声を出す。



もちろん近所迷惑にならない程度に。



奴にしては珍しく一度で動き出してあたしの方を向いて何度か瞬きをした。



「ん~…あり?澪なんでスーツなの?」


「…今日入学式だって3日前くらいから言ってたよね…?」



寝起きの枯れた声で3日前から伝えてることをまた聞かれて、少しイラッとしたのは内緒にしておこう。



代わりといってはあれだけど、二度寝しようとした布団を勢いよく剥がしてリビングへ戻った。



トーストを食べて湯気の出た野菜スープを飲んで一息ついてると、眠そうに欠伸をして頭を掻いてる巨人がやっと寝室から出てきた。


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