未来へ続く道

｢姉ちゃん｣


私の耳に届いたのは陽斗じゃなく颯馬だった



｢颯馬｣



｢陽斗が来てくれた｣



｢じゃあ今は陽斗の家?｣



｢うん、だけどここも長くいれない。
だから限界までここにいるつもり｣



｢その後は?｣



｢さあな｣



｢てか、自分の携帯はどうしたの｣



｢居場所特定されるのがオチじゃん
だから家に置いてきた｣


｢陽斗も無事?｣



｢ああ、それだけだからまた連絡する｣

そこで通話は一方的に切られた



他にも聞きたいことが沢山あったのに…

颯馬の声は知らないうちに声変わりして低くなった声
｢姉ちゃん｣その言葉がなければ
私はきっと分からなかっただろう
長いこと声を聞いていない
会ってもいない


今、颯馬はどんな姿になっているのか