俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
「祐世来たか。」
「おはようございます。」
「今週末のパーティーだが付き人の秘書に凛さんを連れて行きなさい。」
「凛さん?誰ですか?」
名前を聞いて仁見さんだと直ぐにわかったが、あえてわからないふりをしてみた。
「仁見さんだよ。お前の所の秘書の。アルクフードのお嬢さんじゃないか。」
呆れたように答える叔父。呆れるのはこっちの方だ。
美月が聞いてきた話は笹口さんの勘違いでもなさそうだな。
「申し訳ないですが俺は天と出ますよ?仁見さんを連れて行っても何の役にも立たない。逆に足を引っ張られる恐れがあるので。」
「役に立たないとは何て事を言うんだ。」
仁見さんは友達の娘で叔父の一声で入社が決まったと聞いている。
貶されたのが癇に障ったのか目じりがピクピクとしていた。
だが俺はそのまま話を続けた。
「社長は花桜さんとの一件の事をお聞きになってないんですか?あの時は折原さんの機転で長田部長が直ぐに動いて下さったおかげで事なきを終えましたが、それ以来、彼女は一課からの信頼も無く仕事を回されないので、仁見さんはこれと言った仕事もこなしていない状態です。移動にもならず平然とする彼女の姿を見て不快に思うものも少なくありません。そんな人物を社の代表として連れて行けと?」
そこまで言われると思っていなかったのか困惑の表情を隠せず、渋々と言った感じで天と出席する事を了承した。
子供もいない叔父が甥である俺か兄に後を継いでほしいと思っていると話が出たのは俺がどの大学を受けるか悩みだしたころ。
ちょうど初めて美月と会ったころだった。
家は兄が継ぐ準備をしていたし、叔父の仕事に対する熱意に共感し手を挙げた。
そして大学三年になり仕事を勉強するため会社に通うようになった。
休みもろくになく美月との時間が無くなっても自分で有知を継ぐと決めた以上俺は叔父の期待を裏切らないように努力した。
なのに何だ、今の現状は・・・。
昼休み、天へ美月から聞いた話と午前中社長室での話をすると『うーん、夏の終わりに叔父さんがポロっと社長の事を言ったことあるんだよねー。近いうちに聞いておくよ。』と言ってくれた。