俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
三十日、今日は親友の七菜と谷川君に久しぶりに会う事になっている。
お昼の間は祐世と映画を観て、それから指輪を選びに行った。

エンゲージリングとマリッジリング。

今日は見に行くだけと思っていたのだが、一目ぼれするデザインの指輪を見つけたが今日は見に来ただけと黙っていた。それに一般の相場を知らないが値段を見て驚いたし。それなのに祐世にバレてしまい彼はあっという間に購入を決めてしまった。マリッジリングも購入し受け取りは一か月後。それまでは大学時代に貰った指輪を指にはめる事に。


夕方になり七菜たちと合流し食事に。
食事を始め七菜たちの事を聞き終えたあと七菜と谷川君が『大翔から聞いてよ』とか何やらブツブツ言っている。


「あー、お前らの交際は順調なんだよな?」


意を決したように急に真面目な顔をして谷川君が質問をしてくる。


「順調?もちろん。だって俺たち年明けには入籍するから。」

「「はっ?」」


二人は目を見開き驚いている。


「えっ、祐世、入籍って美月ちゃんとだよな。」

「当り前だろ?他に誰と籍入れんだよ。」


谷川君と祐世が友達だと知っている先輩から『お前の友達の有知の後継者、アルクのお嬢さんと結婚するんだってな。』と先週聞かされたらしく、それなのに私とはまだ付き合っているようだしと七菜と二人で頭を悩ませていたらしい。


「その話、お前の耳に入るくらい広まってるのかよ。」

「いや、まあ俺とお前が友達って知ってるから何か情報が無いか聞きたくて教えてくれたみたいだけどな。」


昨日、美那に話をしたように経緯を二人に伝えた。


「あー、でも良かった。また美月が悲しむことにならなくて。神崎には美月を悲しませ苦しめた前科があるからね。」


大学一年の頃の浮気?二股?疑惑。それに加え一年間ろくに連絡もよこさず、今年の三月入社を控え引っ越しが決まった時、入社後に有知に祐世がいると知った時の私の落ち込んだ姿をよく知っているだけに七菜の祐世へ対するあたりがキツイ。
それでも自分が悪かったと思っている祐世は反論することなく聞いていた。


「神崎!美月のこと、これ以上泣かしたら許さないからね!」

「わかってるよ。俺だって美月を手放す気は元からない。ちゃんと守ってくよ。」


その言葉を聞き『美月―、よかったねー。』と私に抱き泣きじゃくる七菜。
自分の事のように喜んでくれる友達、本当にありがたい。






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