俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

祐世side35

ふう、掃除もこれくらいでいいかな?
正月に籍を入れたら直ぐに引っ越し先決めるつもりだし。


「美月が横にいたら、ここも!とか言いそうだけどな。ん-、それにしても時間が思いのほか余ったなあ。高橋と食事に行った美月を迎えに行くまで何しとくかなー。」


最近では美月が来た時に掃除をしてくれるので予想してたよりも早く大掃除が終わった。
今日の夜、美月を迎えに行くまであと四時間以上ある。
一人で過ごす休日が久しぶり過ぎて何をして過ごせばいいかわからない。


七時前になってやっと美月からメッセージが届いた。

迎えはいらないと言われたが、年明けの職場での事を思うと俺からも高橋にお願いをしといた方がいいだろうと、二人が食事をしている所まで迎えに行くことにした。

店に着くと、まさか俺が来るとは思ってなかったのだろう『ホントに神崎さんだ。』と驚いていた。


「高橋さん、年が明ければ美月の周りが騒がしくなると思う。美月が困っている時は助けになってやって。」


頭を下げると『とんでもない』と慌てながらも『私の方こそ、これからもよろしくね。美月。』と快く言ってくれた。

店を後にした俺たちは一度美月の家へ。
正月実家へ帰るための荷物を取りに寄り、俺のマンションへ戻ってきた。
美月は荷物を部屋の端にまとめて置き、部屋をグルっと一周して『ちゃんと掃除してえらい。』と。俺は子供かよと思ったが、確かに美月の前で掃除した事なんてなかったな。


「やれば出来る子ですから?ってか、美月いないから暇で時間はいっぱいあったしな。」

「この部屋とも、もう直ぐお別れだねー。私この部屋のデザイン好きだったんだけどなー。」

「正月明けたら部屋探そうな。美月が気に入るところでいいよ。」

「そう?じゃあこの近くがいい。この地域好きだから離れたくないなー。moment de joieも近いし。」


moment de joieか。
俺たちの節目にほぼ必ず食事に行く店。

こんなドタバタで結婚が決まるとは思わず指輪も用意してない。
よし、明日大翔たちとの待ち合わせまでに指輪を買いに行くか!
指輪が出来上がったら籍は先に入れてしまってるけど、ちゃんとプロポーズし直そう。


「美月、大翔たちと会う前に指輪見に行かないか?」

「えっ?映画は?」

「映画を観た後でも時間はまだあるだろ?見に行くだけでも行こうよ。」

「うん。」






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