俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

祐世side10

【合格】の文字が見えたとたん、美月が俺に抱きつき喜んでいる。

美月から抱きつかれるなんて思いもよらなかったことに固まっていると、我に返った美月が『神崎くん、合格おめでとう。じゃあ私、教室に戻るね。』と真っ赤な顔で去って行った。一緒に発表を見ていた大翔と朝倉も同じく固まっていたが、その中でもいち早く朝倉が正気に戻り美月を追いかけて行った。

横では腹を抱え笑いだした大翔。


「お前でも女の事で思考停止する事あんだな。」

「美月限定だよ。」


教室に戻った朝倉に美月の様子を聞くがニタニタと笑うだけで全く様子がうかがえない。
予行が終わって下駄箱で美月を待っていると女子に囲まれ結局その日は美月に会う事はできなかった。しかもメッセージを送っても返事どころか既読もつかねーし。

明日の夜はクラスの打ち上げがあるから学校にいる間に絶対捕まえる。




無事式もHRも終わった。
みんな外に出て写真を撮ったり最後の思い出作りに忙しそうだ。
俺も美月を探し校内をうろついていたが女子に捕まった。


「祐世―、これから一人暮らしするんでしょ?家教えてよー。」

「私が休みに先輩の家に掃除と料理作りに行きます!」


周りで勝手な事を言いあっている。
十人ほどに囲まれ、その輪からなかなか抜け出せないでいると美月を見つけた。


「悪いけど通して。」


強引にその輪から抜け出し俺の事を見たまま動かない美月の傍まで行くと腕の中に捕まえた。




< 35 / 167 >

この作品をシェア

pagetop