俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

美月side13

彼の家の玄関を開けると数人分の靴があった。
その中には女性ものもある。

私は泊めてくれないのに・・・、とモヤモヤした物を抱えながら廊下のドアを開けた。


「祐世?うわっ、お酒くさーい。」


テーブルの上には空き缶と食べかすが散乱している。
その周りには雑魚寝状態の友達が四人。

そしてベッドに目をやると寝ている祐世と・・・、彼の腕に抱かれた女性が一人・・・。

体中の力が抜け手に持っていた袋を落としてしまった。
その音で目を覚ました祐世が寝ぼけ声で私の名前を呼んだ。

すると腕の中の人が『んっ、祐世、もうちょっと寝よ?』と甘えた声を出し抱きついた。
目の前の光景がショックで彼の家を飛び出した。




幸いまだ大学は夏休み中だし、一週間はバイトが入ってなかった。
そのまま家に帰らず電車に乗り実家に向かった。
着替えなんて持って行かなくても最低限の物は置いてある。
妹の服を借りる事も出来る。


「美月?どうしたの急に帰って来るなんて!」


電車を乗り継ぎ昼過ぎに急に帰ってきた私に驚く母。
そして驚きはしたが『彼氏と喧嘩?別れたの?』と冷やかす妹。


「バイトもないし、暫くこっちにいるから。ちょっと疲れたし部屋で寝る。」


それだけ言って部屋に閉じこもった。




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