俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。
二年になり二十歳を過ぎると友達数人と飲みに行くことも増えた。
時には飲みの後、家に泊めてやったこともある。

その日もいつものメンバーで食事に行くことになった。
明日は美月との約束があるからと早めに帰る予定だったが結局最後まで付き合わされ、最後はいつもの様に俺の家で家飲み、そしてお泊りコースになってしまった。


「祐世?うわっ、お酒くさーい。」


遠くで美月の声が聞こえる。


遠くで美月の声が聞こえるが俺の腕の中には温かい誰かがいる。俺の腕の中にいれるのは美月だけ、じゃあ何で遠くから声がする?

まだぼーっとしたまま目を開けると、手に持っていたビニール袋を床に落とし目を見開いた美月が見えた。


「美月?」


俺が声を出すと腕の中の誰かが『んっ、祐世、もうちょっと寝よ?』と甘えた声を出し抱きついてきた。

はっ?腕の中にいるはずの美月は目の前にいて、じゃあこれは誰だ?

必死に頭を動かしていると美月は何も言わずに踵を返し玄関に向かって行った。


「美月!」


名前を呼ぶが止まる事無く部屋を後にする美月。
追いかけようとしたが俺に抱きついている奴がなかなか離れず追いかける事ができない。


「ん?今の誰?」


物音で目を覚ました健吾が何事かとキョロキョロと周りを見渡していた。





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