俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

美月side21

四年に上がる直前に有知商事から内定がもらえた。
これでこれからの一年は卒業に必要な単位は全て取り終えているので週一日ゼミに行くだけ、あとは卒論に時間をさける。

七菜も谷川君も第一希望の会社の最終面接まで残っているらしい。
内定が決まればみんなでお祝いしたいな・・・。


ゴールデンウィークを過ぎた頃、七菜も谷川君も内定を貰った。
七菜は第一希望はダメだったけど第二希望だった会社から内定を貰えた。

相変わらず祐世は就職について何も話してくれない。

今年に入ってバイトも辞めた事すら直ぐには教えてもらえなかった。
そして四年になってからは私と同じく週一で行く講義の日以外は就職予定の所にバイトとして行っているらしいと谷川君が教えてくれた。


「ねえ七菜、祐世って卒業しても地元に戻らずこっちで就職するって言ってるけど私には何も教えてくれないんだよね。」

「ホントに何も聞いて無いの?」

「うん。バイト辞めたって言うのは聞いたけど、それも辞めてだいぶ経ってから。この前、谷川君が今は就職予定先でバイトしてるって言ってた、あれも知らなかったし・・・。卒業と同時に別れるつもりだから私には教えてくれないのかな。」

「うーん、それはありえないと思うけど。美月が聞いたら教えてくれるんじゃないの?」

「・・・、もし教えてくれなくて、はぐらかされたらショックだし・・・。」


一度聞こうと話しをふったら何気にかわされて以来就職については聞けずにいる。私の状況を報告してれば自分の事もさすがに決まれば教えてくれるだろうと思っていたのに・・・。

もう夏になると言うのに何も伝えてくれないまま。

祐世は毎日忙しそうで大学が無い日は就職予定先に朝から夜までバイトに行っているみたい。私は今までと変わらず週に二度は彼のマンションにご飯を作りに行っているが会える事はなく、週末一度会えればいい方だ。毎日メッセージか電話はくれるが祐世の気持ちがどんどん離れていくように思えて何も聞けなくなった。しかも今のバイトで十二月から卒業式ギリギリまで大阪に行くと言う。


地元で正月に一度会った、それ以降は結局ゆっくりと会う事ができないまま卒業を迎えた。





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