俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

祐世side24

美月へ送るメッセージにも既読が付かないまま美月が営業部に配属になった。

まあ今まで営業一課担当だった荒木さんが役員付きの秘書一課に移動になるんだからそうだろうとは思っていたが、まさか担当が一課になるとは思わなかった。新人がいきなり担当になるには営業の中でも一番大変な所だから。

俺は朝一で打ち合わせがあり、その後も一日中社外にいたので美月に会う事は出来なかったが、なるべく早くちゃんと話がしたい。

九時ごろ家に着いてすぐに美月へメッセージを送った。

【営業に来るかな?とは思ってたけど、一課だって聞いて驚いた。ちゃんと最後まで話がしたい。土曜日、三時頃までは仕事で出るけど四時には戻るから会えないか?】

また既読が付かないのかそう思いながら暫くメッセージ画面を眺めていると〔 既読 〕が付いた。そして美月からメッセージが送られてきた。

【ずっと返事しなくてごめんね。予定はないから大丈夫だよ。どこに行けばいい?】

このチャンスを逃したら・・・。

直ぐに電話をかけると『はい。』スマホから久々に美月の声が聞こえてた。『やっと出てくれた・・・。』思わず言葉が漏れる。すると慌てたように『ごめんね。急に予想外過ぎることを聞かされていっぱいになっちゃった。』と。お互いに『ごめん』と言い合った後沈黙が続く。

でもちゃんと言葉にしないと・・・。


「あのさ、美月がよければ家来て夕飯作ってほしい。久しぶりに美月のご飯が食べたい。」


そう伝えた美月の答えは『えっ、家行っていいの?』だった。

正直ショックだった。

俺の臆病な気持ちがこの家から美月を遠ざけたのに、本人から自分がそこに行っていいのかと聞かれたんだ。この家に入っていいのは美月だけなのに、そう思うと『当り前だろ!』と思わず強く言葉を返してしまった。しまったと直ぐに思い、謝罪しお願いをする。


「いや、・・・うん、美月がそう思う原因作ってるの俺だよな・・・。ごめん。美月が来なくなって家の中ちょっと荒れてるけど、よかったら来て。んで、ご飯作って。」


美月が久々にこの部屋に来る。ちょっと荒れてるけどって言ったけど、部屋の荒れようはちょっとどころじゃない。今から少しずつ片付けるか・・・。仕事で疲れてはいるけど、美月がここに来てくれることを思えば疲れも忘れそうだ。



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