俺様めちゃモテイケメンが一人にはまったら。

美月side25


久しぶりに来た悠世の部屋、何カ月来てなかっただろう。

営業部に配属された夜に『ちゃんと話がしたい』と連絡が来て、私もこのままではダメだと勇気を出して既読を付けた。すると直ぐに電話がかかって来て家に行く事になった。


「あのさ、美月がよければ家来て夕飯作ってほしい。久しぶりに美月のご飯が食べたい。」


心のどこかでカギは持ったままだったけど、もう家に行ってはいけないと思い込んでいたから驚いた。そして、また私の手料理を食べたいと言ってくれて嬉しかった。



土曜日、祐世の帰りは四時ごろになると言っていたから一時間ほど前に行けば今夜の夕飯ぐらいは作る事が出来るんだけど、平日夜遅くまで仕事をして外食やコンビニ弁当ばかりだと言っていたから作り置きもしておきたい。

昼ご飯を簡単に済ませ駅前のスーパーで今晩のリクエスト、和食の材料と作り置きおかずの用意を買うとエコバック二つ分になってしまった重い荷物を持ち彼の家へと急いだ。

ガチャリとドアを開けるとパッと見は片づけられたように見えたが、洗面所には洗濯物が積まれ、どう見ても昨日もしくは今朝、リビングに散らかっていた物を洗面所に押し込んだように見える。

買ってきた食材を冷蔵庫にしまい、洗濯機を回す。
そして窓を全開にし空気を入れ替え掃除機をかけた。

一回目の洗濯物を干し、ベッドカバーも全部はがし洗濯機に放り込み、乾燥までのおまかせコースで回し調理にかかった。

一時頃に来たのに既に二時前。

祐世が帰るまで約二時間、先に作り置きおかずにとりかかる。
何品か副菜と煮込みハンバーグ等を作りタッパーへ入れて冷ましておく。
そして今晩のご飯の準備にかかった。
最後に炊き込みご飯のスイッチを入れた所でちょうどカバーの洗濯が終わったと知らせる音がした。

布団乾燥機をかけておいた掛け布団とマットにカバーをかけているところで玄関が開く音がする。ベッドルームの仕切りから顔を出すと、会社でいつも見るスーツ姿の祐世が『ただいま』と入って来た。


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