独占本能が目覚めた外科医はウブな彼女を新妻にする【番外編】
「綺麗だよ。華」
純白のウエディングドレスを身にまとった私の耳もとで、樹さんが甘くささやく。
「ありがとうございます。樹さんもとってもカッコいいです」
「そう? ありがとう」
光沢感のあるシルバーのタキシードがよく似合っている樹さんと微笑み合った。
今日、私たちは永遠の愛を誓い夫婦になる。
「ダイエットがんばってよかったね」
「はい。樹さんのお蔭です。ありがとう」
ダイエットに成功していなければ、フルオーダーしたこのドレスは着られなかったと思うと感慨深いものがある。
「一生懸命運動したのが、よかったんだよ」
「そ、そうですね」
なにげないひと言を聞き、一ケ月前の出来事が鮮明によみがえった。
あの日、樹さんは『これから一緒に運動するしかないな』と言って、私をソファに押し倒した。
強引に迫られ、普段より乱れてしまった自分が恥ずかしい。
「あれ? どうしたの? 顔が真っ赤だよ」
羞恥を堪える私の前で、樹さんの唇の端がニヤリと上がった。
人生で一度きりのおめでたい日にもかかわらず、樹さんは意地悪モード全開だ。
「も、もう」
「ごめん、ごめん」
頬を膨らませて抗議すると、膝の上にのせていた私の手の上に、大きな手がのった。
「愛してるよ。華」
「私もです」
誓いのキスを待ち切れず、ふたりきりのブラウスルームで静かに唇を重ねた。
END


