ラグジュアリーシンデレラ
「俺は、結野がりずさんに劣っているとは思わないよ。結野は結野で、地道に努力している。ただりずさんは、宝石店でのバックヤードの経験があるから、そう見えるだけ。」

「うん。」

林人さんにそう言って貰えると、不安も無くなる。

「出張から帰って来たら、美味しい物を食べに行こう。」

「はい!」

そう返事をすると、林人さんは大きなバッグを持った。

「じゃあ行ってくるよ、結野。」

「行ってらっしゃい。」

手を振って、社長を見送ると、遠くで見ているりずさんに睨まれた。

彼女も、同じ事したいんだと思う。

でも、こればっかりは彼女の特権だもんね!


「相変わらず、仲がいいわね。」

留美子さんは、私達二人の事を、優しく見守ってくれている。

「それだけが、今の救いです。」

りずさんという強敵に立ち向かう為には、林人さんの深い愛情が、私には必要。

そして林人さんも、私に深い愛情を注いでくれている。

何も怖くない。


この時までは、そう思っていた。
< 164 / 177 >

この作品をシェア

pagetop