ラグジュアリーシンデレラ
「えっ……」

一回りも上。

井出さんにとっては私なんか、可哀相な女で終わりなんだろうなぁ。

「川畑さんは、下の名前、何て言うの?」

「結野です。」

「結野ちゃん、また食事でもしよう。俺、結野ちゃんの事、応援するよ。」

「ありがとうございます。」


応援するだなんて、嬉しいな。

いいお兄さんに出会えたって感じ?

その瞬間、胸がチクッとなった。

もしかして私、井出さんの事、好きになっていた?

でも、ダメに決まってるじゃない。

住む世界が、違い過ぎるもの。


お寿司を食べ終わって、私達はお店を出た。

「今度会うのは、来週だね。」

「はい。」

「気を付けて、帰って。」

「はい。ご馳走様でした。」

頭を下げて、井出さんに手を振った。


はぁー。夢の世界みたいだった。
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