ラグジュアリーシンデレラ
私は渡されたホチキスを持って、印刷物を待ち構えた。

「えっと、確か設定は……あれ?どうだっけ。1部ずつ印刷する設定が……あれ?」

いつまで経っても、1枚も印刷されない。

私、このままここにいて、怒られないかな。

「おっ、印刷!」

そして出てきたのは、2枚。

「あれ?両面印刷になってない?」

「なってません。」

「おかしいな。」

設定で苦しんでいるを見ると、10部作るのにどれだけ時間がかかるのだろうと、不安になってしまう。


「えっと……全部で何枚印刷ですか?」

「6ページを両面印刷だから、3枚だ。それを10部。」

「ちょっと貸してみて下さい。」

これでも他の日は、事務員として働いている私。

プリンターの設定など、お構いなしだ。

「えっと、両面印刷、モノクロ、1部ずつ印刷と……」

設定を押して、印刷ボタンを押すと、直ぐに印刷が開始された。

そして3枚で、1部ずつ差し出してくれる。

このプリンター、性能いい。


「君、凄いね。ただの掃除のお姉さんじゃないだろ。」

「ははは……」
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