ラグジュアリーシンデレラ
ここは笑うしかない。

そして次々と出てくる冊子を、ホチキスで止めていく。

しかもこのホチキス、芯なしだ。

お洒落。

ウチの会社でも、導入して欲しい。

そう思っている内に、最後の冊子を止めて、その人に渡した。


「あっという間だったな。」

「そうでしたね。」

いや、単にプリンターの性能がよかったからだよ。


「川畑さーん!」

「あっ!」

斉藤さんが呼んでいる。

途中でいなくなったのが、バレたんだ。

「じゃあ、私行きますね。」

「あっ、ちょっと!また今度……」

「すみませーん!」

私は謝りながら、走ってそのオフィスを抜け出した。
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