私の人生も捨てたもんじゃないかもしれない
父とこうやって母の話をするのは何年ぶりだろうか。
懐かしい話もした。
恐怖を植え付けた話もした。
笑い話もした。
それでも父は、子供を産む事に首を縦には振ってくれなかった。
後日。産婦人科に行き、下ろす事を決めた。
十字架を背負う。
子供の命を奪う事を決めた。
最低な母親でごめん。
心の底からそう思っていた。
ただ、これだけは本心で言いたい。
「愛してるよ。」と。
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