【完】今日、あなたじゃない彼と結婚を決めました
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いつも仲間の輪の中心に居るような人だった。
人一倍おちゃらけていて、周りを盛り上げて皆が笑っていて、その中心で屈託のない笑顔を浮かべるような人。けれどふと気が付くと、皆の輪から心は離れていて大きな窓から真っ青な空を見上げているような人だった。
そんな奏の陰の部分に気づき始めたのは、付き合い始めて割と直ぐだった。
それを始め、私は奏が育ってきた環境に起因するものだと思っていた。
奏の父親と母親。つまりは駿くんの両親はふたりが幼い時に離婚していた。
理由は訊かなかったし、知りたいとも思わなかった。けれど、私達の地元ではわりと有名な話で、高瀬コーポレーションは大きな会社だった。
駿くん自体も優秀で有名な人で、奏もある意味有名人だった。離婚後、奏を引き取った母親はスナックを始めた。だから周りからの評判も余り良くはなくって。奔放な人だと噂で聞いた事がある。
そして父親との離婚理由も、男絡みだった事は有名だ。
だからと言って、子供である駿くんと奏自身が仲が悪かったという事もなく、ふたりは学校こそ違えど仲良しな兄弟で有名だった。
あの頃駿くんがとても奏を可愛がっていた事を私は知っている。そしてそんな駿くんに奏はとても懐いていた事。
そしてそれぞれ引き取られた親は違えど、駿くんと母親も連絡を取り合っていたし、父親は奏を大学まで進学させた。