MATSUのごくありふれた平凡な日々
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「それ、ことわざね」
松の友人である美紀は枝豆を口に入れながら、平坦に返した。
「えっ、そうなの?」
「で、それで?」
美紀はハイボールを手に取りながら先を促した。
しでかした数日後、職場の友人である美紀といきつけの居酒屋で、松は自白させられていた。
「大したことない、全然、大したことないから」
必死に言い訳をする。
「それでなんで、犬猿の仲だった暁の犬みたいな状態になってるの。
あ、状況は変わらないのか、あっちがサルで、こっちが犬」
焼き鳥の串で松を指す。