MATSUのごくありふれた平凡な日々

     *

「それ、ことわざね」

松の友人である美紀は枝豆を口に入れながら、平坦に返した。
「えっ、そうなの?」
「で、それで?」

美紀はハイボールを手に取りながら先を促した。

しでかした数日後、職場の友人である美紀といきつけの居酒屋で、松は自白させられていた。

「大したことない、全然、大したことないから」

必死に言い訳をする。

「それでなんで、犬猿の仲だった暁の犬みたいな状態になってるの。
 あ、状況は変わらないのか、あっちがサルで、こっちが犬」

焼き鳥の串で松を指す。
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