MATSUのごくありふれた平凡な日々
うるさいなー。
松はちらりと睨む。
年寄りには分かりやすく言わないとダメなんだよ。
押し入れから座布団を引っ張り出して、縁側に並べていく。
「上がってください。
コップ用意してくるから」
「手伝おっか?」
美紀が綺麗な所作で縁側から上がると靴をそろえながら、聞いた。
「大丈夫、座ってて」
「おじゃましま~す」
瑠衣は意気揚々と上がり込んでいるのを背で聞きながら、松は自室に引き上げた。