MATSUのごくありふれた平凡な日々
着替えてから、皿やコップをとりに台所に入ると、祖母が揚げ物をしていた。
「おかえり。
今、ちくわの磯部揚げを作ってるから、出来たら食べたらいいよ」
「サンキュー。
突然、ごめんね」
「いいって。
友達なんて、久しぶりだね~」
祖母が目を細めて笑う。
「そうだね」
松も微笑み返した。
小学生の時に、1回ぐらいだろうか。
おもちゃもゲームもない家じゃ、次は来ない。
中学生になれば、他の家とは違い過ぎて、恥ずかしくて呼べなかった。
今はこの家を〝味わいがある″と思えるけど。