綾川くんが君臨する

ああよかった、と清々しい様子で次の連絡事項へ移った先生。


『手が空いてる人』なんて招集の仕方で人が集まるわけがないし。

元から、わたしひとりに押し付けるつもりだったんだろうな……。



「ごめんね黒鐘さん。オレも手伝いたいんだけど、その教育委員会に向けてのプレゼンの準備で生徒会抜けられなくて」


後ろの席の風間くんが、小さな声で話しかけてくる。


「その気持ちだけで嬉しすぎるよ〜、ありがとう。生徒会役員も大変だね」


さすが硬派で人気な優等生。
気づかいも一流だなあ。


わたしは、なんでこんな優しい人じゃなくて、綾川くんが好きなんだろう。

風間くんを好きになったほうが、精神衛生の観点からも絶対いいのに。

恋ってほんと不本意で不可解……。


なんてことを考えながら、いつものごとく密やかにため息を落とすのであった。
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