急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「…わかりました…。残業代…はずんでもらいますからね…」

『出す出す!いくらでも出す!』

亜里砂は携帯端末を男に返しながら言う。

「社長命令が出ましたので、今はあなたに従います」

「当然だ…」


その時…バーンとドアが開いた…。

「亜里砂さ〜ん!お疲れ様で〜っす!北柴、ただいま戻りました〜って!あれ?亜里砂さん…と誰…?えぇっ!もしかして…彼氏さんデスカ…⁉︎」

「違うから!」

「彼氏じゃない。…夫だ」
男が良い声で返す。

「それも違います!北柴君、私…社長の命令で、今からこの方と外に出るから、松浦さんが戻ってこないようだったら戸締りをして帰ってね」

「え〜⁉︎社長の命令でって…この時間から⁉︎
それに!亜里砂さん…オットって…なに〜⁉︎」

(ああ、面倒臭い!明日社長に北柴君にも説明してもらうように言おう)

「ありさ…本当に時間が無い。行くぞ」

「ほらーッ!呼び捨て!やっぱ彼氏じゃん!」


きゃんきゃん吠え続ける柴犬を尻目に、男はまだ握っていた亜里砂の左手首を引っ張り、ドアを開け、どうやら本当に急いでいるらしく、ぐんぐんと歩く速度を上げた。

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