急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「悪いが本当に時間が無い。ああチクショウ!なんで直通エレベーターからじゃないと下が通れないようにしたんだ!どっかに秘密の抜け穴くらい作っておけっていうんだ!」

大也が亜里砂の抗議など、これっぽちも聞いてなどいないのを感じ、亜里砂は腕を離してもらう事を諦めて口を噤んだ。

(やっぱり…噂は本当だった。秘密の地下通路、ほんとにあるんじゃん…)
亜里砂は、大也がベリーヒルズビレッジの地下通路を、馬に乗り猛スピードで駆け抜ける姿を想像した。

「歩きながらで悪いが、聞いてくれ…」

ベリータワーを出て、大也はどうやらベリーヒルズ総合病院の方に向かっているようだ。
普段、総合病院までは、タワーのエントランスから歩いて五分だが、この時間だと裏の救急入口までまわらねばならない。

「…うちの祖父さんが…ここ最近めっきり老け込んだんだ…」

「はぁ…そうですか…」
(この人のお祖父さん…と言えば…誰もが知ってる一護金持(イチゴキンモチ)よね…)

テレビでもお馴染みの『一護』中興の祖だ。
戦後『一護』を世界的な多国籍複合大企業にした男である。

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