急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
「結婚なんてしませんよ」という亜里砂の言葉など華麗にスルーして、大也は下々の人間が絶対に乗る事はないであろう一際ゴージャスなエレベーターに、亜里砂を押し込めるようにして乗り込む。

(美幸さんが…とりあえず今はこの男の言う事をきけって言うから、こんな所までついてきちゃったけど…いったいどうなってしまうんだろう…。
まさか…会ったばかりの女を、本当に嫁として紹介する訳じゃないよね…。適当に誤魔化すだけだよね。凄く嫌な予感しかしないけど…美幸さん!私、いざとなったら、走って逃げちゃうからね!)

エレベーターが、チンと音を立てて目的の階に到着し、扉が開くと、廊下の奥に『特別室1』と書かれた扉が見えた。

奥まで歩き、扉の前に二人で立つと、亜里砂の喉がひくんと鳴る。
(なんでこんな事になっちゃったんだろう!)

「23時45分…よし間に合ったな。あぁ、それと…今からお前は、俺の言うことにハイ以外の言葉を返すなよ。それから、俺のことは下の名前で呼べ。あとは得意の作り笑いを、ずっとその顔に貼り付けておけばいい」

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