急募!ベリーの若様が花嫁を御所望です!
一族の中での無用な権力争いを防ぐため…金持の長男の長男である大也が『一護』の後継となる事は、大也が生まれる前から決まっており、その従兄弟である湊は現在、『一護』を纏める『一護ホールディングス』の会長である金持の第一秘書をしている…が、ゆくゆくは一護の系列会社の経営をいくつか任される事が決まっている。

生まれた時からずっと…幼稚園も学校も留学先も…何もかも一緒で…従兄弟であり、親友のような関係の二人であったが…。

「ふざけるな。あれは俺が見つけたんだ。お前に渡すかよ」

大也がジロリと湊を睨む。

「何言ってんだ、速攻フラれたくせに」

「振られてない!俺は生まれてこの方振られた事なんか一度もない!
『御縁が無かったから婚姻届にサインは出来ない』と言われただけだ…」

「ポジティブ過ぎるな。それフラれたと同じだろ?」

「同じじゃない。縁がなければ何度でも縁を繋いで結べば良いだけの話だろう」

湊が驚いて目を丸くした。

「へぇ…。珍しいな…。お前がそんなに女に執着するなんて…」

< 65 / 217 >

この作品をシェア

pagetop